こんにちは。
今日は人気のエチオピア・シダモ・ナンセボ・ウオッシュトをご紹介します。
エチオピアはフローラルな香りと明快にフルーツを思わせる風味があり、当店でも人気のある銘柄です。
スペシャルティコーヒー登場以前から、エチオピアのコーヒーは「モカ」というブランド名で多くのコーヒーファンに愛されてきました。
エチオピアコーヒーについてご説明しておきましょう。また、長くなります(汗。
ご興味のある方はお付き合いください。
エチオピアは、コーヒー発祥の国とされています。エチオピアで生まれたコーヒーは紅海対岸のアラビア半島イエメンにもたらされ、両国のコーヒーはヨーロッパに船便で輸出されました。当時はスエズ運河がなかったのでアフリカ大陸を一周しての船便です。
両国のコーヒー共、イエメンの港町モカ(アル・ムハー)より出港されていたため、両国のコーヒーはモカと呼ばれるようになりました。その頃はモカしかコーヒーの産地がなかったため、モカという単語はいつしかコーヒーの代名詞としての意味も持つようになりました。
例えば、コーヒーのような色合いのことをモカ色と言いますし、コーヒー味のアイスクリームのことをモカ味と言うこともあります。また、イタリアの一般家庭で多く使われている火にかけて使う直火式コーヒーメーカーのことをモカ・エキスプレスと呼ぶこともあります。
モカの味わい。エチオピア、イエメン両国に共通していますが、若干過熟が進んだような個性的な味わいが特徴です。オレンジヨーグルトのような味わいもあれば、ワインのような味わいのものもあります。これはそれらの土壌のもと、コーヒーの木の上で実の熟度が上がってきた時に醸し出される風味のようです。
ただ、熟度が高くなり過ぎて過熟となり、後味に汚れのあるものや、発酵まで進んでしまい、酸が爽やかでないものが多いように思います。モカの香りや風味が好きという方が多い一方、モカの酸味が好きでない人が多いという、二極化の傾向はこれが理由なのかなと思います。
モカはコーヒーチェリーを干しブドウのようになるまで乾燥させるナチュラル製法で長らく作られてきました。前述の風味もナチュラル製法に起因している部分も大きいと思います。
この製法は果肉をつけたまま乾燥させるため、熟度が高くなりがちでコーヒーの過熟や発酵を出しやすいのです。
ナチュラル製法自体は悪い製法ではないのですが、私の知りうる限り、本格的なスペシャルティコーヒー生産というレベルまできたのは2010年代に入ってからと比較的最近のことです。
ナチュラル製法で仕上げられたスペシャルティコーヒーは、ラム酒やスパイス、マンゴーやトロピカルツーツなど十分な甘みを伴った個性的な風味のものが多いです。そういったコーヒーは酸の質も素晴らしいです。(ナチュラル製法のスペシャルティコーヒーは、当店では現在インドネシアがあります。ご興味のある方はお試しください)
スペシャルティコーヒーとしてのモカは水洗処理(ウォッシュト)の方が先行していました。コーヒーの実を剥いたあと、粘液質を発酵槽で落とすウォッシュトは、明るい酸を伴ったフレッシュフルーツのような風味があり、エチオピアコーヒーのもつ秘めた可能性を存分に引き出しました。その筆頭とされる銘柄(生産地域)がシダモやイルガチェフェです。
と、また長くなりましたが(汗、
シダモ地区のナンセボ・ウォッシュト好評発売中です。
エチオピア・シダモ・ナンセボ・ウォッシュト(中煎)
フローラルな香り。マスカットや黄桃を思わす甘い風味。
100gパック 1000円 250gパック 2000円
ナンセボでのコーヒー生産の様子です。前述したように水洗処理は、コーヒーの実を剥いたあと、粘液質を発酵槽で落とすのが工程の特徴です。この写真の状態のコーヒーは、まだ生豆の状態ではありません。外側に薄皮がついており、これを脱穀することで生豆になるのです。薄皮のついたこの状態をパーチメントと言います。写真はパーチメントを乾燥させているところです。
晩秋 堀江幸一
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スペシャルティコーヒー豆専門店
自家焙煎珈琲 晩秋
店主 堀江 幸一
住所 :埼玉県上尾市向山4-1-1 ヴィラ雛1F
TEL:048-725-0151
サイトURL:http://www.bansyu-coffee.net